アカイカ釣りは、神津島で最も人気のある釣りです。
釣れる時期は多くの島民が桟橋に集まる、神津島の一大イベントです。魚釣りはしないけれど、イカは釣るという人も少なくありません。
理由はおそらく美味しいからでしょう。神津島の人たちは、イセエビよりもアカイカが食べたいという人がほとんどです。
特別なテクニックがなくても釣れますが、釣果を伸ばすためには、長時間釣りをする努力や仕掛けの工夫が必要です。
仕掛けの電気ウキの中に単三電池が入り重たいので、竿は硬めのものが良いです。磯竿なら4号か5号が適していると思います。
魚と違ってほとんど引かないので、竿をしならせて釣る必要はありません。
私は3号と4号を使用していますが、4号の方が使いやすいです。2号の竿は遠投したら折れました。
長さは5mくらいがおすすめです。
遠投ができることと、イカを抜き上げやすいからです。
基本的にタモやギャフを使用しないため、仕掛けの長さにもよりますが、長さがあった方が抜きあげやすいです。
ケンサキイカは魚のように強い引きはありませんが、仕掛け、特にウキが重たいので、あまり細いラインだと切れる可能性があります。
大きいリールである必要はないですが、小さすぎないリールがよいと思います。
電気ウキは、単三電池を1本使用するタイプが多く使われています。
電池2本のウキもありますが、重すぎるのでおすすめしません。
ウキの光の色については、白色発光、赤色発光、緑色発光の3種類がありますが、白色はまぶしすぎて使いづらいという意見が多いです。私も同様の意見を持っています。神津島では、赤色または緑色の光がよく使用されています。テープを巻くなどして明るさを調整することで、さらに釣りがしやすくなるかもしれません。
ウキ止め糸、シモリ玉、ラインペットはウキとセットで必要な道具です。
イカは引きが弱いので3号もあれば十分です。3号あれば3㎏、4㎏のアオリイカがあがります。
イカ釣りならではの道具です。ウキとエギの間に取り付けることで、イカのアタリがわかります。
イカはエサを抱いて水平方向に引っ張ることがあり、その場合かかっていてもウキが沈まないので、電気ウキだけでは当たりがわからないことがあります。
そのまま放置しておくと、やがてエギを離してしまい、せっかくかかったイカを逃してしまいます。
ケミホタルを付ければ、水平方向に引っぱられると、電気ウキと海中のケミホタルの位置が変わるため、掛かっていることがわかります。
サイズはミニかレギュラーで十分です。パキッと折るタイプは使い捨てなので、シーズン中に何度も使用する場合は電ケミがおすすめです。
繰り返し使えるため、釣行ごとに付け替える手間がかからないうえに経済的で、ゴミも減らせます。
形はエギに似ていますが、エサを乗せるために背中が平らになっており、乗せたエサを固定するための針金が付いています。
釣果を伸ばすため、いくつか試してみたので、それぞれの使用感などを紹介します。
ヨーヅリのエビスッテが神津島で最もポピュラーなエギです。一番安定して釣れる気がするので私も使っています。神津島の漁協で売っているのはこのエギです。
エサ巻エギもよく釣れます。実際の釣果はエビスッテと大差ないと思います。ほとんどの人がエビスッテを使っているため、私は釣果に差をつけられるかもしれないと思い、エサ巻エギとエビスッテの2本で竿を出しています。
エサ巻テーラはエギが二つ付いているのでお得感がありますが、使いにくいです。
イカは釣れる時間帯が短いため、その時間にできるだけたくさん釣ろうと欲張って購入しましたが、ライントラブルが多く、絡まってる間に時合が終わったりしました。
上手な方なら使いこなせるのかもしれませんが、神津で使っている人は見たことがありません。
イカ釣りの時間は夜で真っ暗なのでライトが必需品です。
携帯や手持ちのライトだと片手がふさがってしまうので、両手が使えるヘッドライトが便利です。
また重いと邪魔なので、電池が付いていない、充電式で軽量のヘッドライトがおすすめです。
スッテに巻くエサは、サメやウツボを使っている人が多いですが、魚の身なら何でも釣れます。鳥のささみでも釣れるようです。
なんでもいいなら何を基準に選ぶのかというと、私が気にしているのは身持ちの良さです。
フグにつつかれることが多いので、身が柔らかい魚だとすぐボロボロになったり、なくなったりします。
エサをまき直すのには結構時間がかかるので、そのまま使い続けられれば時間のロスをなくせて、その分チャンスも増えます。
サメの身がよく使用されていますが、誰でも手に入るわけではないので、手に入らない人はウツボの身や、自分で釣った魚の皮などでも大丈夫です。
島の釣具屋さんで売っているキビナゴを使っている人もいます。
キビナゴがよく釣れるといわれることもありますが、身持ちは悪いです。フグがいるとすぐになくなってしまい、巻き直すのに手間がかかります。釣れている時間帯にエサがなくなると、大きなタイムロスになります。
薄く切り、エギの上にぴったり乗る形にして付けるとエギのバランスが崩れません。
ケンサキイカは通常深場に生息していますが、4月から7月の産卵期になると浅瀬に回遊してくるため、桟橋から釣ることができるようになります。時期は年によって多少前後しますが、大きくずれることはありません。他の時期には桟橋では釣れません。
仕掛けは、電気ウキにケミホタルをつけ、エサ巻きスッテと呼ばれるエギに魚の身をくくり付けて、日暮れとともに仕掛けを投入し、イカが掛かるのを待ちます。
早い時間から始めたいところですが、日暮れ前に投入するとせっかく巻いたエサがフグに食べられます。
アタリはウキとケミホタルで判断します。ウキが沈むか、ウキとケミホタルの位置が変わるかのどちらかです。
ウキが沈まないアタリは少しわかりにくいので、慣れていないと気づかないかもしれません。
隣で釣りをしている人がいれば「釣れてるよー」と教えてくれることもあります。
仕掛けは潮に流されて徐々に動くので、隣で釣りをしている人の迷惑にならないように、流されたら早めに回収し、潮上に投げ直しましょう。
ほとんどの人が1人で2本竿を出します。1本は桟橋から5メートルくらいの近場に落とし、もう1本は遠投することが多いです。
イカが釣れる時期には、桟橋が混雑します。夕方になると車が集まり、隙間がないほど人が並びます。
中にはマナーの悪い人もいて、早め桟橋に行って良い場所を確保していると、後から来た人がそこは自分の場所だと主張してきたり、目の前に仕掛けを投げてきたり、嫌がらせをされることがあります。そういう人を相手にすると、釣りに来ても気分が悪くなるので、慣れていない人は、良いポイントではなくても、近くに人がいない場所で釣りをすることをおすすめします。
夕方からきている人たちは、21時頃になるとだいたい帰ります。
イカ釣りをする人は、釣れていても内緒にするため、情報はほとんど出回りません。
教えない理由は、混雑を避けたい、他の人に釣られるのを防ぎたいというものだそうです。
釣れているか確かめる方法の一つに、桟橋に付いているスミを確認するという方法があります。イカは釣り上げるとスミを吐くため、雨が降らない限りしばらくその跡が残ります。写真のように桟橋にスミが付いていたら、近日中にその場所でイカが釣れた証拠です。スミの数で釣れている量も推測できますので、日中にチェックして、夜に釣りに行くのも良いでしょう。
ただし、桟橋にスミが付かないように、釣れたイカを直接バケツに入れる人や、きれいに流して帰る人もいます。
また、釣れているときは人が集まり、釣れていないときは人が少なくなります。
夕方17時頃から桟橋に車が並び始めるときは、だいたい釣れています。
竿 |
長め硬めがおすすめです。 |
リール | 4号以上の道糸が巻けるリールがよい。 |
ライン | 3号以上。リーダーより太いものを使用する。 |
ウキ | ハピソン(Hapyson) LED搭載電気ウキ 高輝度LED自立ウキ |
ウキ止め糸 | ライズウェイ(Riseway) RSK-007 ウキ止めの糸/RSK-008 ウキ止めの糸ハード |
シモリ玉 | YO-ZURI(ヨーヅリ) 雑品・小物: スーパーシモリ玉 |
ラインペット | プロマリン(PRO MARINE) ラインペット |
サルカン | 道糸とリーダーの結合部に使用する。 |
リーダー | シーガー(Seaguar) クリア フロロカーボンハリス 100m |
ケミホタル | ルミカ(Lumica) 日本化学発光 A05011 デンケミII37 グリーン |
エサ巻きスッテ | ヨーヅリ(YO-ZURI) スッテ: エビスッテ 115mm エサ巻き ステン線 |
その他(ヘッドライト) | ヘッドライト USB充電式 高輝度 LED ヘッドライト |